実験的にあれこれ


by para_noid
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土下座のスペシャリスト

昔、ある番組内で、『幼子がパジャマに着替える様を歌と共に流す。』というコーナーがあったと記憶している。文字にしてみると児童ポルノ法に引っかかりそうな気配がプンプンとするのだが、決して怪しい番組の話ではない。天下はNHKの教育番組、『おかあさんといっしょ』でやっていた『パジャマでおじゃま』というコーナーの話題である。こんな注釈を入れようと思う辺り、全く困った時代になったものだと思う(注:別にそんな時代ではありません)。

で、何でそんな話をしたかと言えば、その件のコーナーでかかっていた『パパッパパッジャ-マ♪(ジャマ♪ジャマ♪)』という音楽が、何故かふとしたはずみで思い出され、頭から離れぬ様になってしまったからなのだ。しかも、『パジャマ』の部分が『土下座』に改変された状態でである。





ポップなメロディと共に、延々とリピートされる土下座のメロディ。文字にすれば『ドドッド 土っ下っ座っ♪下座下座♪』である。ここで私は『ただの下らない戯れ歌』という処でその話を終えていれば良かったのだが、いつもの悪い癖が出た。それが歌われる状況を考察してみてしまったのだ。そしてそこに浮かび上がって来たのは、案の定、戦慄の情景であった。

土下座を要求される様な切迫した状況下なのにも関わらず、土下座を要求する相手はニコヤカに、且つポップにリズムをきざみ始める。言い分は一切聞いてはもらえず、衆人環視の中で響く「土下座」の歌声。何も言えぬまま俯く謝罪者を囲むように、次第に高まる熱気と興奮の渦、そのウネリと音階。次第に失われゆく判断力と摩耗していく感情の下、彼はゆっくりと膝を折りゆく。

これはもう、ある種の洗脳行為に等しいのでは無いだろうか。音楽とリズム、単調な歌詞の連続によって脳内に一定の行動を植え付けるのだ。つまり、これが元の歌詞『パジャマ』であったとしても……まさかNHK教育はこの方式によって子供にパジャマを……って、自分は一体何を考えて、何を言おうとしていたのだろうか(挙動不審な様子で辺りを伺う)。

はたと気がつき、己の打ち出した文字列を振り返る。最早、今の私の中に当初何を書こうとしていたかの記憶はない。今はただ、目の前に生み出された狂気の産物を前に為す術もなく、私はただ静かに膝を折る。そして呟くのだ、土下座の歌を。
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by para_noid | 2009-01-20 21:19 | 戯れ言